Vol.17 世界中の人たちが「釈然として生きていける」世の中を作りたい with 近藤ナオさん

今日のお客様は近藤ナオさんという方なんですけれども、まず彼の紹介をしているだけで1時間ぐらいかかっちゃうような方でして。
ナオさんもよく肩書きはなんですか?って聞かれるらしいんですけれども、どうしても肩書きが必要と言われた時は「ライフクリエイター」と言ってるそうです。

初めて会ったのは20歳ぐらいの時、外苑前でかわいい雑貨屋さんをやられていて、でも建築をやってたり街の開発とか、日本にシェアハウスっていう言葉も馴染みがなかった時から、自分の家の一部をオープンにしていたり、シブヤ大学っていうものをやってたり、アソボットっていう会社を運営していたり。
とにかくなんだかいろんなことをやられているなっていう印象で。

数年前に久々連絡してみたら、今タンザニアの海辺に土地を買って、そこの現地で調達した資材とかで住むところを作って食べ物を作って、エコビレッジを作ってるよとか。
今は、日本とオランダとタンザニア、ペルー、グルジアとかに拠点を作って活動してるみたいなんですけど。

ナオさんにずっとポッドキャストのゲストで出てほしいなって思ってて連絡したら、この日東京で午前中この数時間だったら時間作れそうって言われて、その前は佐賀にいて学校作ってるんだとか、そのあと伊豆のエコビレッジ行くんだとか、そんな感じの方なんですけれども。
ナオさんっていう人に少し触れるというかお話するだけでも、私は何かいつももらうものが多くて、皆さんもなんだかヒントがあるかもしれないです。
ぜひ聞いてみてください。

ちか

こんにちは、ひがしちかです。
今日のゲストは近藤ナオさんです。

なお

こんにちは、近藤ナオです。

1個でもいいから選択肢があるような生き方ができる人が増えたら

ちか

ナオさんの肩書きをもう書ききれないというか、私は説明できないような人で。

なお

自己紹介的にはすっごい簡単に言うと、僕は小さい頃一緒に暮らしてた父方のおじいちゃん、おばあちゃんの影響をめちゃめちゃ受けてて。
おじいちゃんの方が、当時は意味わかんない権力者だったというか、近藤家のルールはこうだから!って言ってルールを押し付けられてるっていう印象があって。
結構小さい頃から、僕だけじゃないかもしれないけどやりたいことは結構あったので、やりたいことをやらせてもらえないっていう感情がどんどん溜まってって。

本当ざっくり言うと、それ以来、まずは日本中の人たちがやりたいことがやれるような環境ができたらいいなとか。
その後、日本っていう境界線と世界との境界線がよく分かんなくなって、もうちょっとそれから色々言葉を考えて、世界中の人たちが自分も含めて「釈然として生きていける」世の中が作りたいっていう感じになってきて。
でも「釈然とする」っていうのはもうちょい分かりづらいので、最近は1個でもいいから選択肢があるような生き方ができる人が増えたらっていうか、世界中の人が1個でも選択肢がある世の中になったらいいなと思ってて。

最初20歳ぐらいからまずは日本中でどんな人たちがどんなふうに暮らしてるのかっていうのを知らないと、多分 世界中の人が釈然とする世の中は作れないなと思って。
今思うと、建築プロデューサーとかまちづくりコンサルタントとかそういう立場を取って、まちづくりってなると全ての分野に関われるんですよね。
自治体で言えば市長さんだったりとかそういう人と関わったり、大手の不動産デベロッパーと関わったりとかしながら、農家さん、漁師さんとも一緒にプロジェクトやったり、あとは 神社とかお寺とか病院とか学校とか。

その中でもただただ建物作るみたいなことだけじゃなく、シブヤ大学っていうプロジェクトとか、まちの保育園っていうプロジェクトとか、建物を作らないまちづくりみたいな形で。

ちか

やってらっしゃいましたね。

なお

で、6年ぐらい前に、もうそろそろ日本では色々やりきったなっていうか、リサーチはもう隅々までしたなっていう気持ちになってきて。
その時ちょうど当時14歳のいちばん上の娘が、日本の公立の中学校に行ってたんですけど、もうつまんない!みたいな感じになってきて。

保育園作った時とかに世界中の教育について色々勉強した時に、オランダとかデンマークとか北欧の教育っていうのが、オーダーメイドっていうか人がやりたいと思うことをなんとかしてサポートして、やれるような人を育てていくようなそのスタンスが、特別な学校じゃなくって、ほとんどの学校がそういうスタンスでやってるって感覚があったので、オランダとか北欧の学校行けんのかなと思ったら、オランダだったら行く方法があったので、娘をオランダの学校連れてって「こういう学校なら入れそうだよ」みたいなの見せて「どうする?」って聞いたら「オランダ行きたい」って言ってくれて、娘が。

で、それをきっかけに6年ぐらい前から海外に行くようになって。
1年の半分ぐらい僕はオランダを拠点に暮らすみたいな暮らしが始まって、そっからは僕の中で世界リサーチ編に人生が変わってたというか。

乳歯が生え変わって、人は人間の感覚になる

ちか

ナオさんと出会った時、ナオさんはお店を外苑前でやってらしたりで、私は建築家かなと当時思っていて、デザインの人なのかなとか。

その後にコシラエルを私が始めたらモデルもしてくださって、その時に当時10歳だった娘さんがコシラエルに来てくださって。
ナオさんがその時「10歳でもう全部決めれるから、人は」って言ったんですよ。
私、その言葉がすごく印象的で。
さっき冒頭にお話したおじいさまのことと真逆のことをしようと思ったんですか?
自分の娘に対しては。

なお

うんうん、そうだね。
真逆ってよりか、19年前に1人目の子供が生まれて、その時に幼児教育っていうものがどういうものなのかとか、どういう風に子供と向き合ったらいいのか育てたらいいのかっていうのを真剣に考えた時に、なんだったかな、なんか乳歯が生え変わるっていうタイミングぐらいに、人間は僕らと同じような大人になるというか、人間になるみたいなのがあって。
確かに乳歯ってすごい不思議なものだなと思って。
なんであんなものが必要なんだろうって思うけど。

ちか

うんうんうん!

なお

僕は乳歯が生え変わるっていうのは、すごいなんか大きな儀式だなっていうのがピンと来て。
大体生え変わり終えるのが、 7歳、8歳、9歳、10歳ぐらいの辺りだと思ってるので、だから10歳以降になればもう今の人間と同じような感覚になる。
その後はもう自分で全部決めれるはずだけど、プレゼンテーションの能力とかが低くて、周りの大人とか先生とか親とかを説得できないから、違う道に向けられてるっていうような人が多い気がしたので。
だから僕も娘に小学校1年生ぐらいからずっともう「小学校6年生になったら、中学行くか行かないかとか何したいかっていうのを、自分で決めて僕にプレゼンしろ」って言い続けたりしてたので、そういう感覚があるのかな。

ちか

選択肢を与えるっていうか、それも困る子はすごく困ると思うんですよね。
特に日本の教育だと「あなたどうしたい?あなたは何を選ぶ?」より、もう全部与えられる方が多くて、その中でそれがすごく印象的で。
ちょっとナオさんの話に戻ると、いちばん私が尊敬してる「いいな!ナオさん」と思うのが、身体的な人だなって思うんですよ。
うちに来たとき犬が首輪外れて、捕まえたじゃないですか!うちの息子と。
そっち回って考えるんだ!とか、これは波動で行くんだ!とか言って追っかけて(笑)。
私、そういうとこがナオさんすごいいいなと思って。
考えるばっかりじゃなくて体とか身体全部使って、その場で何すべきかみたいなのを、ガっと持ってく感じがすごいいいなと思ってます。

なお

ありがとう。
多分本能的にやってたし、今はもう、それでしか僕自身が自分のやりたいことにたどり着けないって思ったのは、また15年前に生まれてくれた次の子供がダウン症っていう特徴を持って生まれてきてくれたおかげで、障害っていうものに向き合うんですよね。そのタイミングで。

それで色々知的障害とか調べてって、その後発達障害っていうものがあるんだみたいな。
その中にいろんな種類の発達障害が一応分類されて、発達障害ってダウン症みたいに染色体異常とかじゃないから、どうやって判断すんだろうとかいう中で、当時はアメリカ型とイギリス型のチェックテスト方式みたいなのがあって。
それでどういう感じなんだろうと思って、慶応義塾大学の精神科で1回、仮にテスト受けてみたんですよね、自分で。
終わった時に「あなたは高機能自閉症の疑いがかなり高く見受けられます」みたいな。
それで高機能自閉症っていうのが分かってきて。
高機能自閉症の人が全てそうとは限んないんだけど、僕自身、まず活字を読むのが非常に苦手で。

昔から体で感じるとか、興味があることがあったら現場に行ってその人と会うとか、体験させてもらうっていうことでしか、自分の中に入っていかないんだっていうのを本能的には多分分かってたけど、15年ぐらい前にそのテストを受けてからは、より「それしかないんだ、僕」って思って。
そのおかげで、興味があればどんどんどんどんオランダだろうがタンザニアだろうが、ペルーだったり電気のないようなエリアとかに突っ込んでいったりとか、そういうようなことをやって。
そうするとかなり短い時間で自分の中に入ってくるし、この学び方はすごいいいなと思っててやり始めた。
やってたんだけども、もうそれしかない!っていうのを納得して今は生きてるっていうのが、多分犬を追っかけるシーンにも出たんだろうなと思う。

ちか

そこでね、この人信頼できるわ!っていう、頭がいいだけじゃないんだなと思って。
「釈然と」っていう言葉が出てきた時に、それってやっぱり人権とかその人を尊重するとか、それがあると平和に繋がるんじゃないかなとか思ったりして。

なお

僕は自分も含めて、世界中の人たちが釈然として生きていける世の中が作りたいなと思ってて。言葉としては。
それは僕が一緒に暮らしてたおじいちゃんが、理由なき権力をすごい振るう人だったので。

今思えば、もちろん彼なりの愛情で僕ら近藤家を守るために、彼が考えたルールだったんだろうなっていう風に思うけど。
理由はうまく説明できる人じゃなかったんで、理由なき権力を振るわれてるようにその当時は感じてて。

でもそのおかげでやりたいことが、友達はできるのに僕だけできないみたいなことが多かったので、それをきっかけに、世界中の人がやりたいことができるとか、1個でもいいから選択肢があるような人生を送ってほしいとか。
自分にピンとくる言葉で言うと、「釈然とする」っていう単語で。

脳みそではなくハートで判断する

なお

「釈然とする」っていうのは、みんなが幸せとか笑顔とかっていうのは、ちょっとなんか気持ち悪いなってずっと思ってたっていうか、笑顔がしっくり来る人と来ない人いる気がするし。

釈然とするっていうのは、例えば40代の俺とかが家で1日中ずっとゲームやってて、食事はウィダインゼリーみたいなやつ頼んで、でもずっとゲームやってて、それで彼が釈然としてるならいいじゃんみたいな。
でも、それをとやかく言う社会が日本はかなりあるだろうね。
40代でそういう生活してたら(笑)。
多分ほとんどの人が、ダメ人間みたいな感じで言ってくる可能性がある。
そういう暮らしをしていることがバレたら。
そういうのも許される社会になるといいなっていうのが大きくあって。

その中で、今世界中で人が釈然として生きていく上でいろんなことをやってて。
1個は自然を守るみたいなこと。
やっぱり世界中人がどんどん増えてきて、日本は人口減ってるけど世界で言えば人口は増えて、自然がどんどんどんどん食い潰されてるように僕には見えるから、それをどう守っていくかとか。
1個だけのプログラムというかモデルで、世界中の人が全員釈然となるっていうのは幻想かなと思って。

ちか

うん、確かにそうですよね。

なお

僕は100種類ぐらいやるつもりで、Aパターン、Bパターン、Cパターンみたいな色々そのモデルに触れることで、釈然と生きやすい人がいて。
僕だけが作るんじゃなくて、世界で他にやってる人のものを僕も「これいいから12パターン目にしよう」とかっていう感じでどんどん取り入れていって、100種類ぐらいのものを目指すっつうか、それぐらいやるぐらいの気持ちで今やってて。
それで9種類目までやってきてるうちの6種類目にハート、心臓の状態を正常にというか。

ちか

それは穏やかであるとか、心が取り乱されないとか、そういう?

なお

脳みそで考えるんじゃなくって、心臓で物事を、まぁ心臓は考えないんだけど。
脳みその細胞がすごいいっぱいあるって言われてるけど、心臓はそれ以上に細胞の量が多いと言われてるのね。

ちか

そうなんですか!
よくいうモチーフも、ハートってあの形があるじゃないですか。
受精して最初に出来上がるのが心臓じゃないですか。
脳よりも先に心臓が最初トクトクトクって、「ご懐妊ですね」みたいな。
人間ってやっぱ先に頭よりもハートができるんだなっていうのは、すごく私もなんか信じているところがあって。

なお

例えばマインドフルネスみたいなこととか、結局あれも脳の状態を穏やかにしておくみたいな感覚が僕はあって。
脳みそはやっぱり考えてジャッジメントするので、急にバグることがあるなっていう風に思ってた。
僕自身でも後でこの判断間違ったなって思うようなことを、脳みそで判断してる時はあるなと思ってて。

その後に去年出会った子の考え方で、ハートフォーカスして、コヒーランスっていうらしいんだけど。
コヒーランス状態にできる方法っていうのは、意識をハートに集中した後に、自分が最近感謝したこととか感謝してることを思い出したりとかすると、ハートのリズムが一定になるっていう調査結果はもうかなりの数が出てて。
その状態になってると、体に対しても最適な行動を自分が取れるし、人に対しても世界に対しても最適な行動を取れるみたいなことって感じなんだよね。

ちか

私もすごく忙しい時、余裕がない時に、どんどんそっちに引っ張られちゃうけど、やっぱりちょっと心に余裕があるっていうか、そういう時にはいい流れを作れるなって自分で思うようなことなのかなって、今聞いてて思ったんですけど。
幸せとか、ナオさんのやってらっしゃる全部のことが、1個1個分野は違うけれども、全部ナオさんに通じてることだなと思ってて。

お金をいっぱい持ってる人も、なんか心配って状態になってきている

ちか

やっぱすごいなと思うのが、利益を全然求めてないっていうか、会社も何個もやってらっしゃった時もあるんですよね。
いろんな法人作ったりとかしてらっしゃって、資本主義とは何かとか、利益をどんどん追求しないで。

聞きたかったことが、脱成長っていうか。
どんどん今自然壊して、人間がどんどん進みどんどん儲けてそれがハッピーみたいなことと、全然違う事例を出しているっていうところにもすごく興味があって。
幸せみたいなのの定義が、多分自分のハートみたいなところ?
ちょっとうまく言えないんですけど、利益を追求すること、資本を元にしてどんどんそれを倍増させることが幸福になるとかではない、幸せっていうものをナオさんが実践しているようじゃないかなと。

土地をどんどん買いまくって自然を守る。
それがまたすごいなと思って。
もしお金儲けする人が買ったらどんどんそれをまた悪いように使うけど、志あるっていうか、それこそハートですよね。
ハートで買うと、そういうことには使わない。
だから、その辺にすごく私も共感するいい未来のヒントがあるんじゃないかななんて思ったりして。

なお

資本主義は本当に限界だなと思うのは、簡単に言えば、お金をいっぱい持ってる人は安心できるっていう構図だったはずだけど、今かなりのお金を持ってたりかなりの資本を持ってる友達とかも、例えば日本円で3桁億円ぐらいの資産を持ってる人とかも、なんか心配なんだよねって言う。お金に対して。

ちか

キリがないんですね、お金って。

なお

分かる気がするっていうか、すっごいお金持ってる人たちもなんとなく心配っていう状態になってきちゃってるっていうのが、ちょっと仕組みの崩壊に差しかかってるんじゃないかなと思って。
それに対しては、ほぼお金0円でも暮らせるようなヴィレッジを。

ちか

そうそう、その話を聞きたい!
ほぼ0円で暮らせるようなヴィレッジを作ったんですよね。

なお

今はアフリカのタンザニアの海沿いで20ヘクタールの土地でやってるところは、1日多分50円ぐらいあればもう暮らせるぐらいにはなってますね。
電気、ガス、水道、下水、食料、建築だったり、教育とか洋服とか、あと医療とインターネット。
全部入れて1日50円ぐらいかな。
1番お金かかるのが、やっぱインターネットなんですよ。
インターネットを自活するって、衛星を飛ばす世界なので。

ちか

スターリンクを使ってるっておっしゃってましたっけ?
南伊豆もスターリンク?

なお

そうそう、静岡の南伊豆もスターリンクですね。そっちでやってる。
それは1年ちょっと前に、湧き水が出る山を3ヘクタールぐらいまた友達と買って、自然保護の観点もあるし、なんかあった時に日本は能登とか含めて自然災害国家なので。
思いっきりそのヴィレッジが自然災害を直撃したらそこでは暮らせないんだけど、直撃しなかったりした場合はそのヴィレッジに逃げ込めば。
ほとんどやっぱインターネット代なので、南伊豆も今1日1人100円ぐらいでは暮らせるようになってるので。
そこに逃げ込めば、電気ガス水道とかちゃんとした水洗トイレとかも独自でワークしてるので。
その辺は0円で動くようにはなってるので、そんな場所も作ってみたいっていうのが、今やってる2種類目のことって感じですかね。

すげぇと思ってた人たちも、僕とそんなに変わらなかった

ちか

ナオさんは、都会でも田舎でももちろんもうどこでも生きていける方じゃないですか。
それで場所もそうなんだけど、いろんな人とお仕事するじゃないですか。
政治的な人もいれば、農家の人とか学校の人、お坊さんとかお寺とか。
今、学校も作ってらっしゃるでしょ。佐賀県で。

例えば「ナオさん、政治とかは興味ないんですか?」って前も質問したら、いや、もうそれはちょっと手はつけないみたいな、やっぱり動かせない大きなものがあるっておっしゃってたのかな。

なお

多分1年前ぐらいまではフワっとそう思ってたんだけど、6年前から世界中をぐるぐる回って、もうかなりいろんなところ回ったけど、世界中僕の知らないところに、僕の2倍も3倍もすごいスーパーマンみたいな人たちがいっぱいいて、そういう人たちが国を動かしてたりとか法律作ったりとか、色々やってんのかなと思ったんだけど。
いや、僕とほぼ変わらない、僕の1.2倍か1.5倍ぐらいすごい人は会ったけど、普通に僕と変わんない、普通にご飯食べておしっこしてうんこして、みたいな人間たちがいるだけなんだなっていうのを、体で確信できたというか。

それで世界中をぐるぐるした結果、すごい人たちがいっぱいいるわけじゃないことがやっと分かって。

自民党の仲間を見つけて、法律を作ってる

なお

僕は6年前に日本を離れた時に、実はやり残したことが2つあって、それは日本の公教育を作り直すことと、日本の国政に関わること。
これがすげぇ頭のいい人たちがやってて、特に政治の世界、霞ヶ関にいる世界ですね。
地方自治体とかっていうのはいろんな人と付き合ってきたんで分かるんですけど、やっぱ霞ヶ関にいる官僚だったり、寝てる人もいるかもしれないけど、国会議員の先生たちとか含めて、あの辺はめっちゃすげぇ人たちがやってくれてると思ってたんですけど、そうでもないんだっていう。

ちか

むしろ悪い人しかいない。

なお

いや、悪いしかいなくはない(笑)。

ちか

そうですね、自民党の中にもいい人はいますもんね。

なお

いい人はいる。 でも、だから今、本当に日本の政治は…。
これから世界中の政治がクリエイティブになるなと思ってて。

ちか

その必要がすごくあるし、もう政治っていう組織、仕組み自体がもう古いっていうか、もう仕組みを変えないとっていうか、毎日投票ぐらいしてもいいんじゃないかな。
毎日投票は言い過ぎだけど(笑)。

なお

うん、そうだね。
やっぱ本当にイケてなかったというか、自分とか自分の周りの親族というか、ちょっと周りの人たちだけの幸せしか考えてなかったようなタイプの、政治家の人たちとか権力者の人たちがどんどん退場させられてってる風潮になってきてるので、今めちゃめちゃチャンスあると思ってて。

ちか

変えたいですね。

なお

日本の政治は終わるっていう人はいるけど、別に1回終わるような感じになるんじゃないですか。
で、終わる前に僕らみたいなのがワーって入って。

ちか

終わってほしい〜。もう大掃除してほしい。

なお

終わりきらず入っていくことで、救えるんじゃないかなと思っているので。
だから今、 そういうやり残したことは日本に帰ってきてできるなと思って。
まずは国政で選挙に出るっていうよりも、国っていうものの中で法律を作れるようになるってすごい大事だなと思ってて。
今、法務省系と厚生労働省系の法律作りに関わらせてもらって、どんな法律作りたいの?とか言われればめちゃあるけど、なんかが作りたいっていうより作りたいって思った時に、1年ぐらいでそれを作れる人脈とやり方みたいなのを今覚えたいなと思ってて。
1個目関わらせてもらってる法務省系の法律が、多分もう2024年の3月中には成立できるから、こうやって作るんだ〜みたいなのとかが分かってきたし、全然官僚でもない、国会議員でもない僕が動いても、僕だけじゃないけど、民間の人たちが動くことでやりようはあるんだなって。
(2024/4/1施行「デジタルノマドビザ制度」

ちか

そうなんですか!すごい、ナオさん。
法律と憲法はまた違いますよね。

なお

うん、憲法はまた違う。
でも別に憲法改正もできる。一緒だからね。
一緒っていうか、僕的な高機能自閉症的な人からすると、抽象的に見れば一緒だし、法律の作り方も今の日本の状況だと、イケてる官僚を1人見つけて、民意があることを表明して、それを通したい自民党の仲間を見つけて、最後自民党の総務会長が拒否しなければ、通常国会のスケジュールに入れば法律が変わるっていうこと。

ちか

でもなんで自民党なんですか。ほんとにモヤモヤする(笑)。

なお

そこはしょうがない。他の党がない、選択肢がないと思ってるから。
選択肢を作ってくか、違うルールにするかになってくる話だと思うんだけど。
別に自民党の中にもめっちゃ話が分かるいい人はいるし、今その人たちが助けてくれてるし、俺と話も通じるし。
党の問題ではないっていうか、人間って個人個人1人1人は誰かのことを思って本当に生きている。

ちか

うん、戦争もそうですよね。

なお

それが組織だったりとかすると。

ちか

なんであんなにひどいことになるんだろうか。

余白のある教育プログラム

なお

さっきの佐賀県の学校を僕の友達が買って理事長になって、中高一貫校なので、しかも生徒が450人ぐらいついてきた状態で、学校作りとかして。
いろんなところとかを今いっきに改革してってるけど、35年間続いた学校が書類とかすごいあるわけ。
日報みたいなのとか「この報告書毎日出す意味なんなんですか?」って聞いても、書いてる本人も「いやぁ、なんか引き継ぎで言われたんで」みたいな感じで。
ただただ管理職の人がハンコだけ押して戻ってきて、誰も中読んでないみたいな「でも必要なのかなぁ」みたいなっていう気持ちに、僕ですら最初なってて。
個人としてはそう思わないのに組織とか集団になった時点で、誰かが決めてるはずのもので大事なものだったはずで、そう簡単になくしちゃダメだとか違う方向性を出しちゃダメだとかって思ってしまう意識が働くんだなと思って。

ちか

それはデンマークの影響とかですか?
デンマークだともう4時には職員室すっからかんで、プログラムっていうかそういう計画もいらないって。
学習指導要項とかって、日本だとそれにのっとって年間スケジュール立てて、それを提出して承認してっていうのがあるから、もう先生たちもやることいっぱいで残業してるし。
そのデンマークのやり方聞いて、すんごいもう見習わないといけないんじゃないかと思って。

なお

そういう意味では僕はおじいちゃんの影響なので、理由がないことをやることが嫌だったんです。
だから僕は1個1個やることに、何らかの理由がないものはやらないっていう人生送ってるから。

とはいえ、学校という組織にこんな内部まで関わるのは人生で初めてだったので、ある程度そんな自分の流儀を通しまくっちゃいけないなって最初は思っちゃったっていう話ですね。
だから単純に今は1個1個見直して、本当に必要なものだけを残していくっていうスタンス。

ちか

それ公教育でっておっしゃってたけど、私立なんですか?公立なんですか?

なお

公教育っていうのは、公立私立関係なく教育全般を公教育っていうらしいので。

ちか

そうなんですね。で、今の学校は?

なお

やっぱ公立を買うことはできないので、私立を買って。

ちか

そっか、私立でできることと公立でできることって、やっぱりちょっと柔軟さが違うんですかね。

なお

全然、同じようなことができると思ってるし、僕らは公立を変えていきたいんで、やっぱ公立を変えないとお金のない人たちが来れないから。

ちか

本当ですよね。 ただ、エリートの学校になっちゃうんですよね。

なお

なので、僕らは公立でもできるようなモデル作りみたいなのをすごい意識して、授業だったりとかそれを取り巻く環境、例えばトイレとかもみんなのトイレみたいなものを普通に柔軟に作って。

日本って、今、僕らとしては好都合だなと思ってるのが、戦後のGHQの影響で日本って教育委員会が各市町村に分散させられたんですよね。
そのおかげで、文部科学省が教育要領とか作るけど、それの影響力よりも各市町村の教育委員会が、ある程度文部科学省のを解釈しつつ独自に入れるから、通知表がないとかもできるんですよね。

そのおかげで今、僕らの教育に興味持った宮崎市とか佐賀市の教育委員会の人たちは、よく見学に来たりとかをし始めてくれたり、宮崎市は公立の小学校2校と中学校1校をモデル校みたいな形にして、僕らの学校の理事長になった神野っていうのを、その教育委員会のメンバーにも中にも入れてくれて改革を始めてっていう形で、そういう風に公立に広げていくっていうやり方をやってるっていうのが僕らのやり方。

ちか

素晴らしい。
もう多分日本中が行き詰まってるなと思って、教育に関して。
不登校も多いし自殺の子も多いし、だから公教育でできることっていうのを調べてる時にイエナプランに出会って、ナオさんにオランダの教育、娘さんが行ってらっしゃるからどうなんですか?って聞いた時にも、もうほんとに目から鱗っていうか、オランダの教育がこんなにすごいんだって思うことが、もうびっくりして。
テストもただ数字だけだから、そんなにこの数字があなたを評価してないっていうのを、先生がすごく伝えてくれるとか。

なお

そうそう、テストといえばテストみたいというか、学んだことをどれぐらい理解してるかを確認するためのものがあるっちゃあるけど。

ちか

あなたが今、どこに地図上でいるかっていうのをはかるものだけれども、この数字はあなたがどんなに素敵かは表してなくって、でも逆に100点とった子にはあれだけど、全然テストの重要性とかはあんまりないとか聞いたり。

なお

どんだけテストでいい点取ったからと言って、次行きたい高校とか大学に行けるわけでもないみたいなことも、常に先生たちから言われるみたいな感じですね。
だから余白がすごいあるっていうか。

ちか

その前後を見てるっていうか、取り組む姿勢だったりその問題に対してどういうふうに解いたかとか。

先生も生徒ももっと個性を

なお

オランダとかの学校の話では、日本で言うと担任の先生みたいな人がいて、校長先生みたいなのがいて、1クラス20人前後ぐらいなんで日本よりは数が少ないかなと思うんですけど、それで3クラスか4クラスに1人分ぐらい、メンターって言われるポジションの人がいて。

日本だと、最近ソーシャルワーカーみたいな人とかが学校にいるようにはなってきたと思うんですけど、ソーシャルワーカーさんに相談に行くってすると、自分がネガティブな状況でネガティブだよって手を上げてるような感覚になっちゃってるのが、もったいないなと思ってて。

オランダはメンターさんに調子が悪い時相談にも行くけど、普段から話をしてて、人生の相談というか今後どう生きたいかみたいな話とか、それに対するアドバイスをもらったりとかみたいな感じの人間関係が育まれてて。
ああいうポジションの人は日本でも学校に1人、ソーシャルワーカーさんっていう枠があるんであればその人でいいと思うんですけど、もっとこまめに生徒たちと話をすることと、ポジティブな話とかもできる存在っていう。

ちか

やっぱ先生と生徒の力関係みたいなのが、もう最初から子供も無意識のうちに擦り込まれてるし、親もそうやって育ってきたから、対等にそういう話せる人がいて、あと親の意見でもない、担任の先生でもない人の意見とかって、すごく大事だったりいろんな見方になるから、多角的に見えるっていうか。

なお

そうですよね。 今の佐賀の学校とか理事長 兼 校長が神野っていう友達がなってくれてるんだけど、彼とかはある種わざとで、金髪、片耳ピアス、トレーナーなんですよ。学校にいる時も。
それで今度、小学6年間もう不登校だったもう学校行きたくないみたいな子が、今回こういう学校があるっていうのを俺の知り合いの子供だったんだけど聞きつけて、この間、まさか中学行くともう親も思ってなかったんだけど学校説明会来て、校長室で神野の話聞いて、その後入学志望動機みたいな紙に「ここ校長先生がトレーナーだったし、オーラがいい感じだったからここにしようと思いました」みたいな。

そんな志望動機書いてくる、心をストレートに書いててこの子すげえなと思ったんですけど、今言いたかったのは、やっぱそれぐらいの先生たちが降りてくる感じみたいなことを、まだ日本では意図的にやらないと。

ちか

パフォーマンスとしてでもね、やらないとね。

なお

やっぱオランダとか北欧とかの学校見てると、先生たちは全てで個性を出すっていうことが分かってるから、洋服もバラバラだし、職員室の椅子も全部みんなバラバラなんです。
そういうことですら、個性なんです。
この椅子が好きだっていうのがあるっていうか。
日本ってやっぱ、会社も職員室も全員同じテーブルといす使ってて。

ちか

それは先生が悪いんじゃなくてイメージなだけで、先生も本当さっき言ったただの人間じゃないですか。

この前、たまたま息子とうちの近所のコンビニ入ったら、去年の先生がコンビニでジャンプ立ち読みしてたの。女性の先生が。
息子は「おっす!先生、おーい!」とか言って、そしたら先生が急にパタンって閉じて「すいません、なんかジャンプ…」って。
もう私、そこで悲しくなっちゃったのね。
なんで謝るの?って、なんでジャンプ読んでちゃいけないの?って、勤務時間外だしね。
そういう世の中ってほんとに良くないと思って、もうそれだけでも申し訳ないと思う。
先生がかわいそう。

もう本当にどんどん仕事減らしてほしいし、先生の。
もっと自由になってほしい。
それが多分、子供にとってすごくいいと思うんですよね。
先生解放運動したい。

なお

警察が制服着たままなんかしてたとか、いや、別になんか悪いことじゃないじゃない。
なんで?みたいな気持ちになるニュース、日本はびっくりするよね。

今、世界中の公教育を変えたいっていう時に、僕、やっぱタンザニアとかナイジェリアだったりとか電気のないエリア、アフリカを特に見てて思うのは、やっぱ世界中もう義務教育の呪縛から逃れられないようになってるんですよ。
今の資本主義の仕組みに順応するための方法を教えてる。ざっくり言えば。
そういうような培養装置になってるだけで、タンザニアも今6歳から15歳ぐらいまでが義務教育になったので無料で、行きたい子たちが学校にみんな行けるようになっちゃったんですよ。
で、ほとんど教育のプログラムは日本に多くあるスタンスと同じで。

だから僕は、選択肢としてそういう学校もあればいいけど、半分ぐらいがオランダとかデンマークとか北欧にあるような、自分たちが生徒がやりたいと思うことをやれるような状況にしていきたいなっていう時に、デンマークのフォルケホイスコーレは、インターナショナル型って英語でやれば、51%の生徒はデンマーク人じゃなきゃいけないんだけど、49%は何人でも受け入れる。
そういう形でやりたいなって。

ちか

それすごく大事ですよね。
教育された人がまた国を作っていくから、もうほんと幼少期のそういう平和教育があるかないかでもだいぶ、人道的なハートも育ち方も違うし。
いや〜、いい話が聞けました。

なお

日本でも今のスタイルの学校は残ってもいいと思うけど、半分ぐらいはそういう北欧とかオランダみたいなスタイルの学校があって、選べるようにしたいなっていうところなので、あくまで僕は。
全部そっち側に振らなくてもいいとは思っている、というスタンスです。

ちか

ありがとうございました。
ほんとに色々たっぷりだけど、まだ聞き足りない感じで(笑)。
本当にありがとうございました。
なんか最後、言い残したこととかあります?

なお

今日の話でもたぶん、僕がやってきたことの1/10も話してないので、色々検索してもらえれば記事も出たりするし。

ちか

そうですね、そうだそうだ。
ナオさんのポッドキャスト、お友達がやられてる?

なお

友達の企画制作会社が毎日1人ずつが週1で喋るみたいな、僕は多分金曜日の更新の回なんですけど、そこで多分3月からスタートしているので、それを聞くとかなり細かく1個ずつ僕がやってることが。

ちか

近藤ナオさんという人がどういう人で、何をやってるかっていうのが分かる。

なお

そうそう。
第1回から第4回で、そのポッドキャストで何を話すかっていうのをダイジェストで喋って、その後も時系列に1個1個やってきたことを話し続けるみたいな。
余裕で1年はかかるみたいな感じ。
ポッドキャスト「近藤ナオという生き物」

ちか

かかりますね〜。
でも本当にナオさんっていう、こういう方がいるっていうことを皆さんに知ってほしいなと 思うし。
なんか、ありがとうございました。

なお

いやいや、ありがとうございました(笑)。

ちか

どうぞお元気で。
体、お強そうですもんね。
弱そうだけど、強そうですもんね。

なお

そうっすね、1日1食しか食べないですけど。

ちか

ね、言ってましたよね。
「俺は燃費いいよ」って言ってましたよね。

なお

ハハハ。

ちか

こんなに利益を求めずに幸せを作っていく人…って、私は思ってる。

なお

ありがとう。嬉しいです。

ちか

ありがとうございました。
近藤ナオさんでした。

なお

ありがとうございます。

近藤 ナオ(こんどう・なお)

ライフクリエイター

自分も含めて世界中の人々が釈然と生きていける世界を作るための100種類の事。
の9種類目まで見えてきた&やり始めた事

●1種類目 民間で自然を守る事(南伊豆、タンザニア、ペルー)
●2種類目 お金がなくてもある程度、快適に暮らせるビレッジを作る事(南伊豆、タンザニア)
●3種類目 教育の場に選択肢を作る事(佐賀、宮崎、デンマーク)
●4種類目 国単位で法律を作る事(ルールメイキング)(日本)
●5種類目 人間が最小単位で心地よく生きていけるコモンズを作る事(宮城の東松島、群馬の高崎)
●6種類目 ハート(心臓)の状態を一定にする事(場所はどこでも)
●7種類目 水を確保するために木を保つ事(南伊豆、タンザニア)
●8種類目 世界規模での食糧の生産と流通を正常化させる事(コーヒーの生産地と消費地)
●9種類目 世界の2ヶ所以上の国に暮らし、それぞれの国のサポートを受けられる事(2カ国以上にパスポートを持つイメージ)(場所はどこでも)

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