Vol.18 誰かの生き方と働き方が、誰かの光になる with アニーちゃん

今日は、画家のアニーちゃんがゲストに来てくれました。
アニーちゃんがつくっているポートレートとインタビューの本「LAMPPOST」のプロジェクトのこと、そして私もインタビューしてもらいながらお互いインタビューし合うという、いつもとちょっと違った回になってます。
この回が誰かの光になりますように。

ちか

今日のゲストはアニーちゃんです。
よろしくお願いします!

アニー

イェーイ!よろしくお願いします。

ちか

自己紹介をお願いします。

アニー

Annie Lena Obermeier、通称アニーと申します。
私のしてる仕事は絵描きで、壁画を各地で制作したり、あとは似顔絵を請け負ったり、デザインもたまにやったり、絵をベースにした創作活動をやっていて。
ちかさんには友達経由で知り合って、今押しかけたところです。

他人の生き方は街灯のよう

ちか

今日はちょっと特別な、いつもと趣向が違うのは、アニーちゃんがやっているLAMPPOST(ランポスト)という作品集 兼 インタビュー集のプロジェクトが、もう2、3年目?

アニー

2年半?
開始したのが2021年の4月ぐらいなんで、そこからインタビューずっと始めて、去年25組30人で本にまとめさせてもらって。
それの第2巻目に、ちかさん載せさせてもらいたいなと思って、突撃したところです。

ちか

ありがとうございます。
LAMPPOST 生き方は働き方」っていうタイトルで、アニーちゃんがインタビューした方の肖像画というかポートレートを描きながら、その人のインタビューと一緒に合わせて見れるような媒体っていうことだよね。
だからお互い今回はインタビューをし合いながら、私のラジオでも登場してもらってっていう感じ。

アニー

嬉しいです。よろしくお願いします。
LAMPPOSTのことをちょっとだけ。

ちか

お願いします。

アニー

英語で街頭のことをLAMPPOSTって言うんですよ。
他人の生き方は街灯のようだなって思ったことがあって、人の生き方が道しるべになるなって感じたことがすごいあったんですよ。
それは会社に勤められてる方だったりとか、あと個人で活躍されてる方だったりとか、いろんな光り方があると思うんですけど、その光り方を知ってるか知ってないかで、その道の様子が見れるとか見れないとかってあるなと思って。
その街頭の数を知ってる分だけ、自分がどの道に行きたいかという選択肢がちょっと頭の中に入ってくる。
だから自分自身がインタビュー集を読んで「わ、こういう生き方もありなんだ!」っていうことをすごい思ったことがあって。

ちか

ロールモデルっていうか成功体験、成功してるしてないじゃなくてその体験を聞くとね、あるよね。

アニー

そう、サンプル集が頭の中にストックされるというか、その中から自分のあり方を見つめ出して1歩1歩を踏み出していく。
そういう本になれたらいいなと思って、「LAMPPOST 生き方は働き方」っていうタイトルにしています。

ちか

素晴らしい!

アニー

ちょっと緊張してる(笑)。

ちか

ね、ラジオって言えども、聴いてないようで緊張するよね。

ちかさんがギュッ!と詰め込まれてるのを細分化

アニー

じゃあ、私の方から質問してもいいですか?
いろんな質問があって、インタビューする人にみんな同じ質問をしてるんですけど、その前後の文脈とかその人がどういう活動されてるかで、質問内容を変えたりとかちょっとしていて。
まず、ちかさんにいちばん聞きたいなと思ったのは、どこからそのクリエイティビティの源泉は来てるんだろうなっていうことかな。
描かれたものにしても、根源はこの人はどこにあるんだろうというか。

ちか

もう本当、身近なことよ。
夕日が綺麗だなぁとか、アニーちゃんの目が綺麗だなぁとか、さっきお茶美味しかったなぁとか、子供が泣いてる顔、よくこんな泣けるなぁとか、茹でた野菜剥いて綺麗な色だなぁとか。
もう引き出しはコンセプチュアルなこととか本当なくて、そういうメッセージとかもなくて、本当に身の回りの「あぁ、綺麗だな!」って思うことを、なるべく色とかにできたらなっていう願望だよね。できてるできてないはさておき。
写真に撮っても撮れないじゃない。
空の色とか感情とか、アニーちゃんのこの今の感じとか。

アニー

ちかさんの作品だったりとか本を見て感じたことが、ギュっ!と詰め込まれてるなって感じがしたんですよね。

ちか

欲張りだからね、私(笑)。

アニー

そのギュっと詰め込まれてるっていうのをもうちょっと細分化して、どういうことなのかなって考えたら、多分その 一瞬に感じ取ったことをこの作品にはこういうことを言える!って思って、もう瓶の中にたくさん詰め込まれてるみたいなそんな感覚を受け取って、そうなのかなって今の話を聴いても思いました。
感想になっちゃった(笑)。

ちか

私、欲張りであれもこれもってなっちゃうから、情報量がいっぱいになっちゃうよね。
それをもうそのまま荒削りのままボンって出すから、多分そういう意味で情報量が詰まってんのかもしれない。

アニー

作品の全部が同じスタイルじゃないじゃないですか?
いろんなその時だけのコラージュだったりとか水彩画だったり、または一緒に組み合わせたりとか、そこの組み合わせ方も自由というか「あ、そういうのもありなんだ」みたいな。
ていうのも、多分、私が絵描きとしていちばん最初に意識してたのが「自分のスタイル、築かなきゃ」っていう焦りがずっとあったんですよね。
でも、ちかさんにはすごくそれを超えたものを感じるというか。

ちか

可愛いのも好きだしかっこいいのも好きだし、全部好きなんだよね。
色も全部の色が好きだし、全部自分だと思ってるし、自分の中にそれだけじゃないから。
とにかく自分が好きって思ったのでしか逆に動けないから。
スタイルとかテーマとかも気にしたことない。

よく傘作ってた時もそういうインタビュー受けて「今回リリースしたテーマはなんですか?」って言われるけど、「ないですねー…」って(笑)。
1枚1枚で、コレクションみたいな感じじゃないんだよね、私の場合。
同じシーズンに出したとしても。

アニー

1つ1つがそれぞれの物語を放ってそう。

ちか

その1つ1つの絵には、なんでこういうのってあるけど。
あんまりこういうものを作りたいためにこういう風にっていうのは、作り方としてしてないね。 名前もほとんど後でつけるし。

アニー

出来上がってから、じゃあ「あ、この子はこういう名前だな」っていう風に、逆に絵から教えてもらうような感覚ですか?

ちか

とか、ほんと適当につけたりするよ。
その時流れてた曲のタイトルとか。
でもそんなもんだと思ってて、すごく深い意味があるのも中には今まであるけど、ほとんど偶然性とか成り行きとかが結構楽しいから。
自分がこうしたいために全部ハンドリングしてたら、それこそ私は面白くないんだよね。
自分の予想外のことが起きた方が面白くって。

アニー

やり続ける原動力はどこにあるんですか?
ずっと続けられてるじゃないですか。

ちか

だから、他のことができない。逆に。

アニー

絵を描くこと以外が?

ちか

うん、できない。

アニー

なんか生理現象のような感じがしますね。
もう生きるための1つのもの。
そういうわけではない?

ちか

うーん、でもそうかも。
1人の人だとしても1人の人生だとしても、色々あるじゃない。
それが必要な時と必要でない時がある気がする。
描くことによって自分を保つ時みたいなのもあるし、描かなきゃいけない時もあるし。
でもその描かなきゃいけないのが悪いんじゃなくて、そこから面白さみたいなのも生まれる時もあるしね。

コシラエルには後悔も執着もある

アニー

でも描き続けること、描くことしかできないっていう中にも、やっぱ辛いとか苦しいってなる?

ちか

全くない。

アニー

ないの?!

ちか

全くない。楽しいから。
でも逆にさ、私の場合そこだけが救いなのよ。

アニー

1回、私が苦しいなって思って、ちょっと気が落ちた時期があって。
それの原因何かなって突き詰めた時に、絵描きだから絵を描き続けなければいけないってなってしまって。

ちか

真面目なんじゃない?
自分のスタイル見つけなきゃとか、この絵はどういう構図でどういうパースでどういうのとか。
私考えないから楽なんだよ。

アニー

それは元からですか?後天的にそうなったの?

ちか

多分知らないからじゃない?何も。
私、美術教育受けてなくて、美大にも行ってないし、ただ好きでずっと描いてただけの人だから、本当まがい物みたいな感じです。

アニー

え、でも私もですよ(笑)。

ちか

父親が家のすみっこの自分のそういう場所で描いてたの見てて。
だから一時期は「なんで私こんな好きなのに、美大っていう道を選ばなかったんだろう」って思ったんだけど。
でも今は あんまりそれは考えなくなったね。

原動力ねぇ、本当に他のことができないのよ、私。
みんなみたいに上手にいろんなことが全然できないの。

アニー

試されたこともあったんですか?

ちか

もう、なんか普通に働いたこともあるよ。
派遣とかコンビニのバイトとかもしたことあるし、もうなんでもした。結構バイトした。

アニー

転機になったのは、いろはちゃん(ちかの娘)が生まれて、そこから生きるための方法を探さねばってなった?

ちか

そうだね。

アニー

その始める勇気もすごいなって思ったんですけど、同時にちかさんの中でこの人はすごいなと思ったのか、きっぱりやめたじゃないですか?

ちか

あ、コシラエルを?

アニー

その愛着だったりとか、自分のしてきたことに対する執着が、いい意味でないような。

ちか

いや、あるある!

アニー

あるんだ!

ちか

あるよ〜。
3年ぐらい悩んで、2年ぐらい準備して辞めた。
だからスタッフには結構1年半ぐらい前には話して、辞める準備は2年前ぐらいからし始めて。
もうそこに行き着くまでも、やっぱ大好きだし愛してるし、コシラエルをね。
悩んだし執着もあるからこそ、未だにもったいないことはしたなとは思う。
やめたことでもったいなさも、やっぱり生活の糧にもなってたし。
名残惜しんでくれる人もいたり、すごいいいスタッフ、大好きな人たちと一緒に仕事してるのも楽しかったから。

今、完全に1人でやり始めて「あ、みんなに会いたいなぁ」とか、会おうと思えば会えるんだけどね。
あるよ、全然あるよ。
後悔もあるし執着もあるし、超ネガティブだしね、基本(笑)。

モヤモヤが流れるまで水をかぶる

アニー

どういうときにネガティブだって感じますか?

ちか

なんだろうなぁ、人と会うとその人の「気」をもらうじゃない?
例えば昨日、この地区の自治会の会合みたいなのに行ったんだけど、いろんなことを考えるよね。
人の心を考えたり、自分ってなんなんだろうって卑屈になったりするときもある。

アニー

そこから脱却するのに、脱却というか、どういう風に向き合われますか?

ちか

水。水をかぶる(笑)。

アニー

滝行?!

ちか

そうそうそう、うちの滝あるじゃん(笑)。

アニー

寒いじゃないですか、今!
0度でしょ?
(冬に収録してます)

ちか

真夏で8度ぐらいね。今、何度だろうね。

アニー

え、ほんとにやるの??

ちか

えっと申し上げたいのは、ちょっとでも嫌なこととかモヤっとしたことがあると、水をとにかくかぶるんですよ。

アニー

もうそれは比喩じゃなくて、ほんとに水をかぶるってことですよね(笑)。

ちか

滝じゃなくてもいいの。家のシャワーでいいの。
日本の言葉で「水に流す」っていうじゃない。
とにかくなんかモヤっとしてたら頭から、お風呂のときお湯でいいんだよ(笑)。
お湯でもうバシャーってずーっとかけるの、流れるまで。そのモヤっとしたものがね。
でもお湯ももったいないじゃない?
それが、滝だと3秒ぐらいで流れるの。

アニー

早い!自然のパワー偉大(笑)。

ちか

3秒ぐらいだよ。

アニー

すごい!いい場所にお住まいですね。

ちか

そうなの!確かに私も冬はできないけどね。そんなこと言いながら。
滝行は、でもすごいおすすめ。

アニー

そうなんだ。
やっぱり意味があってできた指針なんですね。

ちか

あるある。
もうほんと、全てが結構ちっちゃいことで悩んだりするの。

アニー

意外です。

ちか

意外でしょ。
私、結構繊細なんで、しかもA型なんだよ。
でも今そんなストレスを抱えてないんだけど、基本的な生活の中でそんな大きな悩みとかないんだけど、なんかあるとほんとにお水とか散歩ね。
もうほんとちっぽけだなと思えるから、すぐに!2、3秒で(笑)。

アニー

だから、水着たくさんあったんですね。

ちか

Annieちゃんにも水着あげたよね(笑)。
でもそれがね、水着全く着ないで裸で入るの。
みんなで水着着てサウナとか思ったんだけど、結局みんなTシャツ短パンとか、裸で入っちゃうから、水着が不要で。
あんなに買ったのに、だからみんなに今配ってるの(笑)。

アニー

いただけて、恩恵に預かれて嬉しく思います(笑)。

ちか

うち人も来るような場所に家がないから、でもたまに佐川さんとか郵便屋さんが来るわけよね。

アニー

すっぽんぽんで出るんですか?

ちか

出ないよ(笑)。茂みに隠れるよ。もう不在のふりだよ。
木の陰にじーっと。

アニー

かくれんぼ?大人になっても(笑)。
しかもまさかの裸で。

ちか

まさかの私が素っ裸で木陰に(笑)。

アニー

それ別のアングルから動画で撮っときたいですね。
めちゃくちゃ面白い。

ちか

いろはが撮ってたことあって。
それはしかも、私だけじゃなくてゆうくんって旦那さんと下のちびちゃんとみんなで、夏、暑い日に入ろうとしたんだけど。
なんかクモの巣が結構滝の周りにすぐかかるのね。
で、ゆうくんが長男のおもちゃの剣でこうクモの巣を振り払って、その動画がすっごい面白くて。
真っ裸の後ろ姿が、おもちゃの剣でこう(笑)。

アニー

ゆうさんも大好きです(笑)。

ちか

ありがとう(笑)。

日常の一つ一つが絵になってる

アニー

脱線しまくりですいません。

ちか

ほんと脱線してるけど、そんな感じよ。

アニー

そうか〜、じゃあもう物理的な力を加えるわけですね。

ちか

そうですね。嫌なことがあったらね。
だから原動力って、あんまり考えたりしすぎると、良くない絵になっちゃうんだよね、私の場合は。

アニー

あ、でも私もです。

ちか

原動力は、とにかく描くことが楽しい!好き!みたいな。
だから、今日描きたくないなぁとかなんかざわつくなぁは、もう描かない。いっそのこと。
描きたくなるまで待つとか、頭の中で考えるとか、それについて描くか考えるとかね。

アニー

ちかさんは回り続けてる、車輪がずっと動き続けてるような感覚があって。
それは、きっぱりしてるから回り続けられるのかなって。
止まることがなく、今は描かないほうに車輪を回す、で、描くほうに次は切り替えるかみたいな感じの、そのハンドルの切り替えがすごいから、だから悩まず楽しいっていう風に思えるのかなとか思いました。

ちか

あとね、描く時間が少ない。

アニー

そうなんですか、それは意外。

ちか

だからそこかもしれない。
本当は描きたいために、どうにか描く時間を作ろうとしてるから。
その98%ぐらいが、描くためにやってることの方が多いんだよね。
それはなんかちょっと語弊があるな。

朝起きます、で、家のことやって掃除して、動物の散歩とか世話とかなんかしてたら、もう10時とかになっちゃうんだよね。頑張っても9時とかで。
そこからメールの返信とか、もうなんか色々あるじゃない。パックしなきゃとか(笑)。

アニー

アハハハハ!

ちか

もう家事なんてもう毎日のことだから。
なんかしてたらすぐ散らかってるし片付けなきゃとか、すぐ目についたらちょっと模様替えしたくなったりさ。

アニー

前回訪ねた時から、またちょっと変わったなという気もします。

ちか

あ、ほんと?
でもそれも全部、絵に繋がってるような気もするし、ここを草むしりしたいとかこの植物ちょっと カットしてとか。

アニー

さっき言われてた、本当に日常の1つ1つが絵になってるっていう風に言われてたことの、先に絵があるんですね。

ちか

絵ってなんだろうって考えるでしょ。もちろん絵を描いてる人はね。
絵ってなんだろう、自分の絵ってなんだろうって、やっぱ考えるじゃない。
言葉にできないことが多すぎて、絵を描いてるんだよね。多分。

アニー

それ、ご本の中で書かれてた「沈黙ゆえの雄弁さ」でしたっけ。

ちか

そんなこと書いてた?私、かっこつけて(笑)。

アニー

素敵な言葉だなって思って。
本当にその絵の持つパワーが、ちかさんの絵はものすごいなって思うんですよね。
それこそ受け手も言葉にできない、なんか「うわー」っていう感情を持つ。

ちか

受ける人にとって受ければいいから。
私が悲しい時に描いても綺麗と思ってくれる人もいるし、それが魅力的だし。

憧れのスタイルは宮廷画家だった

ちか

アニーちゃん、好きな画家とかいる?

アニー

好きな画家ですか。
画家じゃないんですけど、ガウディはすごい好きで、彼の自然のものから影響を受けて形にしていってるその姿だったりとか、作るものももちろん好きだし素敵だなって思って、すごく好き。 ちかさんは?

ちか

私は、初めて絵を見て衝撃!と思ったのが、ゴーギャンなんだよね。
今すごい好きかってそうでもないんだけど、初めて見た時びっくりしたのね。
もうずっと好きなのは、高校生ぐらいの時からずっと好きなのはモジリアニかな。いっぱいいるけどね。
だから、絵ってなんだろうってやっぱり思うよね。
そういう先人のものとかを見てるとね。

アニー

絵以外にも好きな作家さんとかからの影響も受けるじゃないですか。
私、レニ・リーフェタリーという方がめちゃくちゃ好きなんですよ。

ちか

映像作家だよね。
レニ・リーフェンシュタールだっけ。

アニー

めっちゃ間違えたね(笑)。 適当に言っちゃった。
彼女の生き方だったりとか、写真を通して伝えるそのビビットな 写真からくる想い。
想いなのかな、どうなんだろう。
でも勝手にこっちは感じ取るものがあって、そういうものをつくり出せるってすごいなって思うところを、目指してるところはあったりします。

ちか

面白いね、絵って本当に。
昔は宮廷画家みたいな人たちも、職人みたいな感じじゃない。
ああいうのもすごい興味があって、自発的に創作とかって一体なんだろうとか。
絵の具から作ってたじゃない、昔の画家って自分で。
なんか今、そういうとこに結構興味がある。

アニー

絵の具作りたいっておっしゃってましたね。

ちか

絵の具作りたい。でも難しいね〜。

アニー

私、それこそ自分の話になっちゃうんですけど、元々、似顔絵作家なんですよ。
今でも頼まれたらオーダー引き受けて、その人のポートレートだったり、ワンちゃんの絵とか亡くなった方の絵を描いて、送るっていうことをやってるんですけど、その憧れのスタイルは宮廷画家だったんですよ。
オーダーを受けてから、誰かのために描く。

で、誰かのためにっていうところから、誰かのためにだとやっぱり目指してるところは、ご依頼主の方のご要望の絵を描くところで。
そうじゃなくて自分のために描くってなった時に、どういう絵が描きたいんだろうって1回分からなくなった時期があり、でもそこから見たもの聞いたもの感じたものを自分の中に入れてそれを出すこと。
これが絵なんだなって感じたのが今ですね。
感じて出してるのが今です。

自分とあなたの存在を、似顔絵で伝えてる

ちか

LAMPPOSTでは、アニーちゃんはお話を聴いて絵を描いているわけだよね。
その前は、ご依頼あったらその人の色々ヒアリングするの?

アニー

します。
どういう時にその絵を飾りたくて、どういうご家族にあてて描くのかとか、どういう雰囲気の絵に仕上げてほしいのかっていうことを聞いてから、絵に起こしてて。

ちか

色味とかまで聞くの?

アニー

色味は、前はスタイルみたいなものを作ってたんですよ。
でも今は、その人が求めるものを作ることを自分がしたいなって、似顔絵の部門では。
だから色味とかは聞きますね。どういう色が好きですか?みたいな。
で、自分の受けた印象的にはこうなんですけどっていうキャッチボールしながら、じゃあこういう感じに作りましょうかっていう風に投げかけて。
デザインとアートの中間、足して2で割った感じって自分では思ってます。

似顔絵のことで言うと、オーダーしてくれる人は多分私に絵を描いてほしいだけじゃなくて、なんかメッセージをこれを通して伝えてるんだなっていうことを、最初の時に思ったんですよね。
それが何なのかって突き詰めていった時に「あなたは価値のある存在だ」っていうのを伝えたくて頼んでくれてるのかなと思って。
っていうのも、大事な人とか特別な人じゃないと絵を頼んで送ることはないなって思って。
それの媒介として使ってくれてるんだと思って。
だから私の似顔絵には「Dear Precious」っていう名前をつけてて、「かけがえのないあなたへ」っていうメッセージから、「 あなたは生まれきて、存在するだけで価値がある。いつも誰かはあなたのことを愛してるから、生きてることができるんだ」っていうことを伝えれたらいいなって思って、それで今もやってます。

ちか

本当、宮廷画家とかもまさにそんな感じだよね。自分の存在みたいな。
すごくいいね。

私、今いちばん気になることの1つ「人権」っていうのがあって。
まずは自分を認める、大切に生きる、自分の存在。
本当、今の言葉、存在していることに何にも変え難い祝福があるっていうか。
同じように誰にでも、対他人に対しても同じように大事に、その人が生きているっていうことを、それすごくここから今の社会ですっごく大事だなと思う。

アニー

それ、私もほんとにすごい大事なことだし、自分がそれを伝える 源になりたいと思ってその活動を始めたんですけど、ある人に言われて「うわー!」って衝撃的だったのは「これってアニーちゃんが言われたい言葉だよね」って言われて。
その時に頭を打ったような衝撃を受けて、「本当にそうだ…」みたいな。
多分自分自身を認められてなかったから、その言葉を自分で持つことによって、自分にもかけてあげたかったんだなって思ったんですよね。
だからその言葉は多分出てきたんですよね。

ちか

アニーちゃんって今何歳なの?

アニー

27です。

ちか

そうなんだね!お若い〜。なんかしっかりしてるからさ。

アニー

しっかりしてますか?
フラフラしてますよ。

ちか

してるよ〜。フラフラはしてるけど。
なんで今日アニーちゃんにゲスト出演してもらいたかったかって言うと、色々アニーちゃん面白くって。
ずっと今年の4月から、しかも免許取ったの1月なんでしょ。
今日「なんでアニーちゃん初心者マーク貼ってんの?」って言ったら「1月からです」って言って、4月からずっと 日本を。
あれ、なんていう車種なの?

アニー

ホンダのバモスです。軽バンです。

ちか

軽バンで回ってんだよね。
面白いね〜。

影響を受けた言葉、詩、歌詞、音楽

アニー

ちかさん。じゃあ、もう1個質問。
影響を受けた言葉とかアドバイスとかってありますか?

ちか

いっぱいあるよ。格言好きだから。

アニー

素敵な言葉紡ぎますもんね。
ちかさんの言葉、大好きです。

ちか

いやいや(笑)。
18歳の時に、お坊さんみたいなインドによく行く何さんだったかな。
なんかたまに道端で会う人がいたの。
それでその人はよくインドに行くって言って、立ち話する程度の人だったんだけど。
なんか色々私が変な質問してたんだろうね。
「なんで人は生きてるんですか」とか。
宇宙の真理みたいな質問してたんだろうね。ばっかみたいなね。

そしたらね「人間なんてすごいちっぽけだから、考えてもしょうがないみたい」に言われたの。
私は結構考えるのが好きなんだよね。人はなぜ生きてるかとか。
途方もない禅問答みたいなことが好きなんだけどね。

アニー

それで考えすぎて気が落ちたら、滝行に行くわけですね。

ちか

でも最近の些細なことよね(笑)。
ちょっとモヤっとすることって、日々あるじゃない。
もうしょうもないことよ、全然、本当に生きてたら。
知らない人からバンってぶつかられて、ごめんねも言わない人とか、モヤっとするわ〜みたいな。
そういうことが、結構モヤモヤしちゃうんだよね。
そういうこととかぐらいなんだけどね。

アニー

なるほどね。考えすぎない。

ちか

でも、考えちゃうからね。
人ってどうしても考えちゃう。
だから私にとっての言葉だと思う。

私は言葉っていうよりも詩が、いまだに好きな詩がウィリアム・ブレイクっていう人の一粒の砂っていう詩が、いちばん稲妻が走ったかな。

アニー

知らないんですけど、どんな詩ですか?

ちか

4行ぐらいの短い詩なんだけど。
その言葉、ポエムの詩をステッチするっていうのよくにやってたんだけど、グルッとね。

アニーちゃん、ぜひ英語で読んでくださらない?

アニー

私、こんな外国の名前しときながら、大阪生まれ京都育ちなんですよ。
だからつたない英語の発音ですよ。

ちか

お願いします。

アニー

To see a World in a Grain of Sand
And a Heaven in a Wild Flower
Hold Infinity in the palm of your hand
And Eternity in an hour
日本語訳にすると、 一粒の砂に世界を見るために、
一輪の野花に天国を見るために、
あなたの手に無限を握りしめ、
ひとときの内に永遠を握りしめなさい。
素敵ですね。

ちか

うん。日本語訳で印象変わるんだけど。
でも、私の別に指針になってるわけではないんだけど。

アニー

いちばん最初にした質問で、日常のいろんなひとときをギュっと詰めてる感覚があるっていう風に言ったじゃないですか。
その感覚が、この詩に凝縮されてるなって感じが今しました。

ちか

ほんと?そっか〜。
励まされる言葉?
質問、なんだったっけ。

アニー

影響を受けた言葉。

ちか

影響を受けた言葉ね。
もうブルーハーツだね!私は、ほんとに。

アニー

ブルーハーツはもうずっと聴かれてる?

ちか

そうね〜。

アニー

寄り添ってくれる曲ってありますもんね。
それがずっと自分のそばでお守りみたいになってくれてるっていうのもあるし。

ちか

でも影響受けたとかじゃないな(笑)。

アニー

私、プレイリストの中で、これが自分を表す曲たちだっていうことを集めたプレイリストがあって。
歌詞を別に覚えてるわけじゃないし、曲を覚えてるわけじゃないんですけど、それが自分のあり方だったりとかこうありたい!みたいな願望も多分あるし、その音楽を聴いてるから生み出せるものもあるなっていうのをすごい感じてて、多分それがちかさんにとってはブルーハーツなんですね。

ちか

そうかな、そうだね。
生き方の指針っていうか、励まされたのは結構ブルーハーツおっきいな。

アニー

2つの、ちかさんとブルーハーツの共通点、目いっぱい!って感じがしますよね。

ちか

でも私ね、結構なんでも聴くんだけど、クラシックのピアノ、モーツァルトとかグレン・グールドとかがいちばん聴くのは多いかな。
必要なのはそっちかもね。
でもレゲエも聴くし、ボブ・マーリーとかもすごい好きだし。
80’sのポップスとかも好きだよ。

アニー

私も大好きです。すごく聴きます。

ちか

だから影響受けた言葉ね。なんでしょうかね。

アニー

たくさんありますよね。

ちか

その時その時でね。

アニー

あと、知らず知らずにそれが影響されて生み出されるものっていうのも、絶対ありますもんね。
この間、壁画作成させてもらった時に「その場に流れる音だったりこの空間から感じたことを、もう出してください」っていうご依頼で。
そんな風に頼んでくださる方、初めてだったんですよ。
めちゃくちゃ集中して音を聴いて「この空間だからこの色にしよう」というのをその場で決めていって、描くものもそこに滞在してる中で「野菜の花を描きたい」と思って、野菜の花をいっぱい描いたっていう作品ができたんですけど。

描き終わってから、今までの作品も、多分自分がこれまで生きてきた分がインプットされてきて、その端くれがアウトプットされてるんだなって感覚になって。
そういう感覚はありますか?

ちか

私はいつも音楽聴きながら描く。結構。
もっと無になるために聴くかな。
ちょっと巫女みたいになりたいの。
自分の意思で描いてない時がいちばんいいから。

アニー

ありがとうございます。

身近な人と手を取り合って仲良く生きる

アニー

生きる中あるいは働く中で大事にしてるキーワードはありますか?

ちか

生きると働く、似てるようで気持ち的に相反するところもあるなっていうのは自分でも常々あって、そこが葛藤とか課題もあるんですけど。
お金のことで言うと、働くって直結してお金。
お金を払う時も受け取る時も、なんかどっかの社長が言ってたの。
でもその社長、なんかあんまりよくない事件で多分逮捕された人だったと思うんだけど、いいこと言うなと思ったんだけど、その人の素性は知らないけれども。

その人が言ってていいなと思ったのが、お金を渡し合う時に「ありがとう」がのってるかどうかって言ってた。
それはすごいいいなと思って、もらう時も「なんだこの金額かよ」って思う仕事を自分がしてないかとか。
もらう時も「ありがとう」と思って、だから数字じゃなくなるんだよね。
お金もらうことの行為に対して、自分も払う時に「ありがとう」「いただきます」っていう「ありがとう」の交換でありたいっていうのが、働く時の ポイントかな。
だから、自分もそれで気持ちよく仕事をちゃんと納品できるかとか。

アニー

生きる中ってなると、またそれは変わってきますか?

ちか

そうね、生きるっていうことで言うと、もうとにかく大体の悩みって人のことだなと思うの。
お金のことってどうにかなったりとかするんだけど、人の気持ちを変えられないとか変わらないとか、人のことで悩むことがやっぱりほとんどだなと思ってて。
だからこそもあるし、最近思うのは家族とか身近な人。
兄弟、家族、 血が繋がってなくてもどっちでもいいんだけど。

「周囲で接するすごく身近な人と手を取り合って仲良く生きる」ってことが、結構大事だなっていうのを思ってて。
それはすごい私が尊敬する女性が、初めて会った時か2回目に会った時かにおっしゃってたのね。
彼女はもう70過ぎてるんだけど、それが染みてきてる。今、その言葉が。
コミュニティだったり、村だったり町だったり家族、手の繋げる範囲っていうかね。

アニー

最近、茅野のそういう活動も始められましたよね。

ちか

そうだね、だんだん欲しいものも変わるし、欲しい情報も変わるし、見る視点もすごく。
昔なんて政治なんて本当興味なかったから。
今はすごく大事なんだなと思う。

アニー

ありがとうございます。

自分で自分自身を縛ってた

アニー

引き続き、質問させていただきます。
ちかさんが今日までで、学ぶのにいちばん時間がかかったことってなんですか?

ちか

人間関係じゃないかな。

アニー

人間関係ですか。
私、お知り合いになってから結構短いけど、ちかさんの印象は本当にどの人に対しても全力で向き合うような印象が。

ちか

良くも悪くもね。

アニー

それ故に悩むことも多かったっていう感じですか?

ちか

それもあるし、私っていう人間が未熟なんですよ。
だからこそいろんなこともあったし、でもいつになったら完璧になれるのかってないと思うけどね。

アニー

今はそれは、ある程度は学び終わったっていう感覚ですか?
それともまだまだ学んでる最中?

ちか

学んでる最中じゃない?
また違うフェーズとか層があるんじゃないかなと思う。
今40代だからとか、30代の時、20代の時、今40代の時みたいなのがあるんじゃないかしら。

アニー

なるほど、ありがとうございます。
私の話で言うと、今まで学ぶのにいちばん時間かかったことって、なんとかすべきっていう概念から解き放たれることだなと思って。
LAMPPOST を始めた理由も、自分がこうしなければならないっていう考えでずっと自分を埋め尽くしてたから、自由がない感覚がすごいあって。
けど、それは自分で自分自身をそういう風に縛ってたんだって気付いて。

そっから、じゃあもうなんとかすべきじゃなくて、こうなりたいとかもっとポジティブなほうに切り替えていくというか、そっちのやりたいとかいう気持ちを優先させて、大事にしていきたいなって思い始めたとこなんですよね。

ちかさんはそういう風に自分をなんとかすべきっていう風に、縛ったりすることってありますか?

ちか

あるある。
でも、もうそれは18歳の時に捨てようって決めたね。
あまりにもそれが大きかったから、進学校に行きなさいとかっていう家庭だったし、結構厳しかったんだよね。
そこで1回反発っていうか、自分自身のために生きるっていうことはなかなか難しいっていうのは、人生の 節目節目で思うんだけど。
自分でしがらみっていうか、作っちゃうよね。
柵、囲いを作っちゃうっていう か。
でもその囲いを広げたり、囲いを開けたりするのも自分で。

アニー

でもそれを18で捨てようと思ったって早いですね。

ちか

そうかな〜。
でも第一段階、親からまず離れることとか、ちょっとずつその時の自分の柵はあると思う。
今40歳で柵っていうと、なんだろうね。
私ずっと思っててできないのがダイエットだね。
痩せなきゃとか思ってるよ(笑)。

アニー

しなければならないって(笑)。

ちか

ビール飲みすぎだから、今日はお酒控えなければいけないとか。
もう、すぐ柵外すからね。囲いもすぐ広げちゃう!(笑)
だから、意志の弱さとかすごいありますよ。
自分をセーブできない。しなければならないね。

全部、長所でもあり短所でもある

アニー

逆に、自分のご自身のどういうところがお好きですか?

ちか

容姿で?内面で?

アニー

そこはこだわりないです。

ちか

好きなとこって、なんか日本人の性なのかしらね。
なんか出てこないよね。

アニー

謙遜してしまいますよね。

ちか

謙遜って言うよりも、本当にない気がするんだよね。
今、見た目で?って質問し返してしまったのは、母親から「ちかちゃんのいいところ」って言われたのは「ほくろ」って言われたの。
ここにほくろがいっぱいあって嫌だなと思ってたんだけど、首にね、結構顔にもいっぱいほくろがあるんだけど、シミとかね。
「ちかちゃんはここにね、ネックレスしなくていいね」って言われたの。

アニー

え〜、すてき。

ちか

で、大人になって英語でビューティースポットって言うでしょう。ほくろのこと。
今、ほくろを完全にとるじゃない?韓国の美容整形。
だから、いろはも韓国行って整形してほくろ全部取りたいとか言うけど。

アニー

え〜、もったいない。

ちか

ほくろってその人の特徴でもあるじゃない。
私、泣きぼくろとかあるんだけど。

なんか、いいところでもあり悪いとこだから、私は全部って思うの。
なんかするエネルギーみたいなのもいいことでもあるけど、やっぱりすごく人を巻き込んでしまったり、人に迷惑かけたり家族みんな引き込んだり、それに夢中になったりすごくして。
それがいちばんって思っちゃうから、自分の中で。
でも他人にとっては全然いちばんなことじゃないから。
だから、長所でもあり全部短所でもあるなと思うよ。

アニー

ありがとうございます。
これまでを振り返って、自分に感謝したいことがあるとしたら、それはなんですか?

ちか

やっぱすっごい大変だったから、シングルマザーの時よく頑張ったって、その頃の自分に言ってあげたい。
その時、多分一生懸命過ぎて何も思ってなかったけど、失敗したなと思うこともいっぱいあるけど、頑張ったねって言ってあげたい。

アニー

いや、ほんとにすごいなって思いましたもん。
私はコシラエルがもう終わるってなった後から、ちかさんのことを知ったじゃないですか。でもまずシングルマザーになって、生計を立てるために傘を始めたっていうストーリーが とんでもないなと思って(笑)。

ちか

普通だったらね(笑)。
普通っていうのも言葉がおかしいけど、わざわざ大変なことをしないよね。

アニー

でもだからこそ、大変なことをしたからこそ、キラキラしてるものは絶対にありますもんね。

ちか

そうかしらね。
でも、女性で起業してる人の多くはやっぱりなんか大きなきっかけがあるから、そこがエネルギーになる気がする。
岡本太郎が、よく自分を追い込め!追い込め!みたいに言うけど、やっぱ追い込んだところで人ってエネルギーが出る。
生きる力がメラメラと湧いてくるっていうか、戦後の日本ってそうだと思うんだよね。
あれだけ人間が 活動的になれるっていうか、尋常じゃないことをしてるじゃない。
それは 多分、戦争っていう大きな悲しみと悲惨なことがあったから、人のエネルギーが、泉ができたんじゃないかなと思う。

正解の平和と身近な幸せ

アニー

もうあと数個質問させてもらいます。
ちかさんにとって成功あるいは失敗とはなんですか?

ちか

どっちも一緒。表裏一体っていうか。
成功もなければ失敗もないっていうか。
失敗って言われてることが、チャレンジに成功したみたいな言い方もあるじゃない。
どっちも一緒のことだから、どっちもない。

アニー

ありがとうございます。いいですね。
表裏一体ですもんね。
後から転じて成功になることもあれば、さっきのコシラエルの話で言うと、やっぱり後悔残ってるっていうことも後から分かったり、それが失敗って言ってるわけじゃないんですけど、後から想いが変わったりすることも、もしかしたらあるかもしれないですもんね。

ちか

うんうん。
失敗と思ってることが、意外と成功の近道だったりするからね。

アニー

そうですよね。ありがとうございます。
あと2つ。
これからの日本や世界に必要だと思うことはなんですか?

ちか

平和です。
戦争のない世界と人権。

アニー

本当にそうですね。思います。
そうなった時に、やっぱりさっき言われてた身近な人をまず大事にするっていうのが第1歩だと思うんですけど。
でもそれだけじゃ、今の世界って変わらない気もしてくるし。

ちか

幸せの定義も違うけど、まずその人の幸せってどういうことだろうって想像して。
ジョン・レノンのイマジンなんだよね。
想像してごらんっていうこと。
世界がどんなふうにしたら自分が幸せかとか、隣にいる人が幸せか、子供たちが幸せかってなると、じゃあこういう状態よりこっちがいいよねとか、じゃあ選挙に行ってここ変えれるよねとか、もうその積み重ねだと思う。

アニー

本当ですね。想像できるかどうかがすごい鍵になってきますよね。
自分本位に生きたらいいとは思いつつ、でも自分1人では生きていけないからこそ、他の人のことを想像するっていうことがやっぱり大事ですよね。

ちか

これから本当、多分数年以内にいろんなことがまた起こって変わるから、もう本当に大事にちゃんと社会を見ないといけないなっていうのは、危機感がなんとなく肌身にすごい感じる。

アニー

分かります。すごく。

何にも変えがたい美しさを、数字にしたくない

アニー

ちかさんにとって、仕事とはなんですか?

ちか

仕事〜?志とか言いたいけどね(笑)。
私にとって仕事とは、もう本当、境目がないかな。全部が仕事。
お庭のこともそうだし、洗濯物干すのもお皿洗うのもそうだし、だからこそ全部楽しく、子育ても。

アニー

LAMPPOSTのテーマを「生き方は働き方」っていう風にしてるのもそこで、働くっていうのは人生のほとんど割合で占めてるなって思ったんですね。
そういう方々のお話を集めることで、見えてくるものがあるんじゃないかなっていう気がして。

ちか

今なんか怖いのが、時間で仕事って割り切ってるから、子育てが全然対価としてないとか。
お金に換算する必要のないことなんだけれども、それも全部仕事なんだよね。
地球の仕事っていうか、人間の仕事っていうか。
みんなお金稼げないと非効率みたいに思ってたり、その時間がもったいないとか。

アニー

そのお金からの呪縛というか、そこからの解放ってすごく難しくないですか?
そこが区切りになってるし、けどそこから解き放たれたらまた違う世界が見えてくるじゃないですか。

ちか

だからコシラエルやってる時に、それで私も麻痺してたんだなと思う。
自分の24時間限られてて、これだけ自分が動けばこれだけの仕事量ができる、じゃあそれ以外のことは無駄か、とか。
働けば働くほど回るから、個人自営ってそうじゃないですか。
だから、もう本当にワーカーホリックになってたし。
自分が動けば済むこととか思っちゃうし。

じゃあ、ボーっとしてる時間がすごくもったいないような気がしてくるんだけど、今はもうそれがすごく間違いっていうか、違うよって今の自分はすごく思っていて。
それがコシラエルの教えてくれたことでもあり、失敗って言えば失敗な気もするんだよね。そこでボーっとする時間とか、意外と余白が やっぱり必要だったなっていうのは、振り返って思う。

アニー

でも肥やしになってるわけですよね。そのワーカーホリックの時間。
じゃないと、この生活という花は咲かないわけじゃないですか。
こっちに来てから、じゃあその考え方は変わったんですか?

ちか

そうね。だって美しいじゃない。
光があって、今、私たちアトリエで外を見上げると森が見えるとこに2人とも座ってるんですけど、今、夕日が差しかかってて、 奥行がずーっと森で木が何層にもあって、もうすぐ落ちるだろうなっていう落ち葉があって、ただ生えていて。
これを見ているだけでなんて幸せなんだろうって。
何にも変えがたい美しさを、これこそが贅沢だと思うし、人と話してることが贅沢だし、かけがえのないことで。
それを時間とか数字に置き換えて換算したり。
そういう世界に私いて、自分で良かれと思ってやってたけど、そこにいてしまったんだなって思ったりもする。

アニー

自分の時間を取り戻したんですね。
もっとみんなが自由であったら、ギスギスすることもないのかなって今思ってて。
そのためには何ができるんだろう、どういう風に生きてったらいいんだろうなっていうのが私の最近の悩みであり。
で、1つの自分ができる表現方法が、このインタビュー。
自分がお話を聞いて受け取ったものを、外に出す手段を持つことなのかなって思ってるんですけど。

健やかないい魂

アニー

ちかさんはこれから、どういう風に生きていきたいですか?壮大だけど。

ちか

本心は、今ね、今、趣味みたいなことなんだけど今は、お茶が面白くて。茶道。

アニー

習われてますもんね。

ちか

茶人になりたいね(笑)。

アニー

それは、お茶って言ったらお茶を点てることだけじゃなくって、空間にもすごい意識を配るものだと思うんですけど、それ全部を含めて興味を持たれている?

ちか

うん。そうそう。

アニー

なんか特にグッと来ることがあったみたいな?

ちか

いや、もう全部だよね。

アニー

習えば習うほどっていう感じですか?
そうですか。茶人になるのか〜。

ちか

いやいや、なれない(笑)。
あれは簡単になれないですね。

それはまぁ置いといて。
とにかく健康で、家族仲良く 生きていく。

アニー

いちばん大事。
平和は身近なところから。

ちか

ほんと、それ。
健康に、楽しく、仲良く、生きていくね。

アニー

私ね、佐藤家(ちかの家族)の皆さん見てたら、本当にいい魂だなって思うんですよね。
それは多分、体の健康があって、この環境の中で受けるものを全部全身に浴びてて、だから健やかに育ってるなって感じがするんです。

ありがとうございます。私からは以上です。

ちか

ありがとう。
さすがインタビュアー。
今日のゲストはアニーちゃんでした!

アニー

はい!もうグダグダな部分もございましたが。

ちか

皆さん、アニーちゃんのnote見てみてください。
本も買えるんだよね。

アニー

そうですね。
私のSTORESからご購入いただけます。

ちか

よろしくお願いします。

アニー

ありがとうございます。

Annie Lena Obermeier(アニー・玲奈・オーバマイヤー)

アメリカコロラド州出身の父と大阪人の母の間に生まれる。
大阪生まれ京都育ち。幼少期より絵を誰かの誕生日や節目に贈っていたことの延長で絵描きとなる。
現在は車にベッドと画材を積み込み、旅をしながら創作を続けている。

Instagram
オンラインストア
note

Back